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2009 
Mar. 14(Sat)
結局「ウェールズの山」は徹夜して読んでしまいました。
映画からの印象は一昔前の田舎の村で起きたほのぼのした実話というイメージだったのですが、こうして小説で読んでみるとその背景には人類が初めて体験した大きな国際戦争である第一次世界大戦が実に悲劇的に存在していたことがじわじわと伝わりましたね。
田舎ゆえの頑固な思い込みだけがあの出来事の理由ではなかったんです。
それから映画の原題である「丘に登って山から下りてきたイングランド人」というのは事件を要約した言葉ではなく、主人公が後年この土地に定住して周囲に温かく迎えられた証しでもあったことがわかりました。
これ、主人公が村で暮らす人生を選んでからの「名前」だったんです。
イングランド文化から押し付けられた苗字の種類の少なさから、彼らは苗字にあだ名をくっつけて互いに呼んでいるのですが、主人公にはこういうあだ名がついたんです。
この人自身の苗字は他に同じ人はいなくて区別する必要は全然なかったのに、それでもあだ名がついたということが意味があったんですね。
映画では肝心なことをラストの字幕で見せていたのでそこまで伝わらなかったですよ。
「山は今も山のままである、丘ではなくて」というのが一番大事なことですけど。
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